ケトルべルチャレンジルールブック 

ケトルベルチャレンジ(以下KC)とはNPO法人日本ケトルベル連盟が主催するケトルベル競技会です。

1、「ケトルベルチャレンジに出場してみよう!」決めることはなに?

出場の申し込み時に決めること(申告すること)は①部門②種目③ケトルベルの重量④階級⑤年齢区分です。

 ※期限内であれば部門・種目・重量は変更できます。階級は、当日計量でオーバーまたはアンダーになった場合、自動的に変更されますが、出来る限り申告した階級で出場できるように努めましょう。


①部門について

KCでは、GS(ケトルベルスポーツ)部門SL(ストレングスリフティング)の部門の2つがあります。


・ストレングス・リフティング(SL)部門

競技時間:10分

ケトルベルを1つ(シングル)で行う種目の場合、ケトルベルの持ち替えは自由。

ケトルベルを床に置いて休憩することができます。グローブを使用できます。初心者の方におすすめしたい部門です。またフィジカルがしっかりした方なら高回数できる部門なので、「他の競技を主に行っているがケトルベルで体を作りたいという方」にもおすすめです。


・ケトルベル・スポーツ(GS) 部門 

競技時間:10分

ロシアやアメリカで行われているケトルベルスポーツ(GS)の伝統的なルールです。ケトルベルを床に置くとその時点で競技終了。片手の種目では、左右の持ち替えは一回のみです。左右どちらの手から始めてもかまいません。素手で行います。SL部門よりも少ない回数で帯がとれますが、置いて休めないのでかなりの技術が必要となります。コツコツと習得してきた技術をぜひ披露してください!


②種目について

競技種目はスナッチ、バイアスロン、ロングサイクルの3つです。2つの部門・3種目、つまり6種の中から出場項目を決めます。


・スナッチ 

男女ともにシングルで行います。動作が単純なので初心者の方におすすめしたい種目です。


・バイスロン 

スナッチ、ジャーク、それぞれを10分間ずつ行います。最初にジャークを行い、30分以上空けてからスナッチをおこないます。通常は競技会の前半フライトにジャーク、後半フライトにスナッチを行います。

スナッチは男女ともにシングルです。ジャークは基本的にはダブルで行いますが、女性はシングル(ケトルベル1つ)も選択できます。

 ※バイアスロンに参加した方はスナッチとバイアスロンの両方の記録が認定されます。

 ※帯認定はダブルのみとなります


・ロングサイクル (LCとも書く)  

クリーンとジャークを交互に行う種目です。基本的にはダブルで行いますが、女性はシングル(ケトルベル1つ)も選択できます。

 ※帯認定はダブルのみとなります。


③ケトルベルの重量について

Uー23以上では、男女ともに6,8,10,12,14,16,18,20,22,24、28,32、36kgから選択できます。(※もっと軽いケトルベルでも参加できます。ご相談ください)重いケトルベルを選んだ方が、少ない回数で帯をとれます。怪我をしないように無理のない重量で、普段自分が練習を行っている重量を選択しましょう。中間重量(10.14.18など)は地方の大会では用意できないことがあります。


U-15(小中学生)については「U-15」のページをご覧ください。


④階級について

体重が重い方が有利であるため、ケトルベルチャレンジは階級制となっています。計量は大会当日、開会式の2時間前から行います。

「競技する格好で靴を脱いだ状態」で計量します。下着や裸での計量はできません。衣服重量として800グラムオーバーまで可とします。

※53kg級なら53,8kgでクリア。



⑤年齢区分について


年齢は「カレンダーイヤー」です。2021年の10月に40歳になる人は、2021年1月1日以降の大会はM1となります。


2、帯の決定方法

ケトルベルチャレンジは帯制度を採用しています。帯は①回数②ベル重量の2つの条件があります。帯は①種目③部門③ケトルベルの重量④回数⑤年齢区分⑥性別⑦階級から決定されます。

U-15は白帯スタートで、桃、青、黄、紫、緑、橙、赤、黒の順になっています。U-23~M4は白帯スタートで青、黄、紫、緑、橙、赤、黒の順になっています。

 ※マメ知識

 ロシアやアメリカでは「ランキング」といい、ランク●、CMS、MS,MSICと表記しますが、ケトルベルチャレンジではわかりやすく帯の表現をしています。

 

★帯を得るための2つの条件

帯表を見ると、「●キロのケトルベルで何回あげたら●帯」ということがわかります。

年齢があがるにつれて帯取得条件がゆるやかになっていきます。  

 

 

3、服装について

・上半身。綿のTシャツが望ましい。ぶかぶかではないもの。長袖でも構いませんが「静止」を確認するために、ヒジの動きが見えるものではなければいけません。過度な装飾があるものや、服本来の機能を上回るものは使用できません。


・下半身。短いスパッツか、ハーフパンツが望ましい。長いスパッツでも構いませんがヒザの動きを確認するために、ヒザの動きが見えるものではなければいけません。過度な装飾があるものや、服本来の機能を上回るものは使用できません。


・靴。必ず着用すること。種類は問いません。


・グローブ

SL部門ではグローブ着用可。GS部門不可。


・テーピング

GS部門は手のひらのテーピング不可。他の部位は可。

SL部門は場所と問わず使用可。

ただし、SL部門において手のひらにテーピングを使用し、ベルに粘着分が付着した場合は競技終了後に審判に申告し、元の状態に戻すこと。


・リフティングベルト

部門問わず使用可。幅15センチ以内。


・リストバンド

部門問わず使用可。プラスチックやパッドなどの保護材が入ったものも使用可。ただし極度に大きいものは不可。


・その他

腕時計不可。指輪、ブレスレットは金属製であったり、その他ケトルベルを傷つける素材の物は不可。ピアス、ネックレスなどはケトルベルを傷つけないもの、競技に支障の出ないものであれば可。※判断があやふやなものは審判長に聞いてください。審判長の意見にしたがってください。


4、審判体系について

・審判長

各競技会に一人設置し、ジャッジを統括します。公認ジャッジから選定します。カウントと失格の判断をします。

・公認ジャッジ

指定の講義、テストを受け、これに合格し登録した者です。女性16kg以上、男性24kg以上で競技する場合は、かならず公認ジャッジがカウントを行います。

・ジャッジ

カウントを行います。


5、カウントについて

部門、種目共通で、KBが頭上にあがり、ロックアウトとフィクセイションを確認してからカウントされます。

ロックアウトとは、

ケトルベルが頭上にある時に

Ⅰ、ヒジが真っ直ぐ

Ⅱ、ヒザが真っ直ぐ

にある状態のことです。


フィクセイションとはケトルベルが静止している状態のことです。


つまり、「ケトルベルが頭上にあるとき、ヒザとヒジがピーンと伸びていて、一時停止」していなければカウントされません。

※ケトルベルチャレンジは「どんなレベルの人でも楽しく」がモットーです。小学生や軽いケトルベルではカウントを甘くとります。しかし、女性は16kg、男性は24kgからカウントを厳しくします。とくに「ロックアウト時のフィクセイション」を厳しくみます。


6、警告について

警告対象の行為があった場合、ジャッジは試技者にわかるように指をさし、その都度伝えます。ノーカウントに回数制限はありません。


警告の種類(種目共通)

①ロックアウト

ケトルベルが頭上にあるときに、ヒザとヒジが真っ直ぐにある状態の事です。ヒザが曲がっている、またはヒジが曲がっているときはカウントされません。

ジャッジから「ヒジが曲がっています!」「ヒザを伸ばしてください!」「ロックアウト!」と注意がはいります。ノーカウントとなる場合は「ロックアウト!ノーカウント!」と伝えられます。


②フィクセイション

ロックアウト時に静止していなければカウントされません。頭上でケトルベルがぐらぐらしているのに、次の動きに入った場合、「フィクセイション!」と注意がはいります。ノーカウントとなる場合は「フィクセイション!ノーカウント!」と伝えられます。ジャッジにカウントされたことを確認してから次の動きに入りましょう。


③ケトルベルを触る行為

部門に関わらず、競技中に空いた手でケトルベルを触ってはいけません(持ち替え時を除く。ただし持ち替え時も規定あり。下記。)。もし空いた手でケトルベルを触ってしまった場合、

・GS部門ワンハンドで行う種目で、まだ持ち替えていない場合→すぐに持ち替える

・GS部門ワンハンドで行う種目で、すでにまだ持ち替えている場合→競技終了

・SL部門の場合→ノーカウントとなります

※落ちてくるベルを両手で支えると大変楽になるため、これはかなり厳しくとる反則の1つです。注意しましょう。


④ケトルベルが股下でぶら下がって止まっている

ケトルベルを股下でぶら下げたままにしてはいけません。「ケトルベルをあげてください。」と警告が入ります。

すぐに再開できないときは競技終了となります。

※GS部門のスナッチで股下で動きが止まってしまった場合は、次のスナッチがノーカウントとなります。3回股下で動きが止まってしまった場合は競技終了となります。

※GS部門のロングサイクルのクリーンで、股下で動きが止まってしまった場合、ノーカウントの規定はありませんが、3回股下で動きが止まった場合は競技終了となります。


⑤バイアスロンのジャークやロングサイクルでケトルベルを肩に置いて休む

ケトルベルを肩に置いて休んではいけません。すぐに置くのを止めないとき、または3度目になったときは競技終了となります。


⑦競技中に空いた手で体を触る

ももに手をついて試技をしたり、髪をかき上げたり、汗を拭く行為もダメです。警告の対象となります。SL部門においては、ケトルベルを置いた状態の時は体を触ってもかまいませんが、タオルで汗を拭く、水を飲む、チョークを付け直す行為は禁止です。

※U-15は手のひらが小さいため危険防止のためSL部門でのチョークの付け直しを可とします。


警告の種類 (スナッチ)

①ケトルベルを振り下ろす時にヒジが体に触れる

振り下ろす時には、ケトルベルが腰の位置まで下がるまでは上腕部(ヒジ)が体についてはいけません。もしついた場合、カウントされたスナッチは無効となります。


警告の種類 (ワンハンドの種目)

①持ち替え時、両手になる瞬間は一瞬で行うこと。

スナッチ時に両手で振り下ろしたり、ジャーク・LCのラックポジションから両手で持ってバックスイングに入ってはならない。もし補助をしてしまった場合、ノーカウントとなります。

②床に置くときは片手が望ましい。

SL部門でケトルベルを置いて休憩にはいるときはできるかぎり片手で床に置かなければならない。空いた手で補助をする場合は、ケトルベルが股下以下であれば両手で置いても可。もし股下よりも上で降りてくるケトルベルの補助をしてしまった場合、ノーカウントとなります。

※GS部門スナッチの最後のカウントの時のみ両手で下ろしても構いません。


警告の種類  (GS部門のスナッチとLCのクリーン)

①エクストラスイング

GS部門のスナッチは上げるときは一度の振りであげなければなりません。スイングをいれると、スイング後のスナッチはノーカウントになります(持ち替えのときだけはOK)。

※SL部門ではスイングを入れながらスナッチやクリーンをしてもかまいません。


警告の種類 (ジャーク、LCのジャーク)

①セカンドディップ

ジャークでは2度ヒザが曲がります。ケトルベルが胸にある状態から一瞬沈んで跳ね上がる時(ファーストディップ)と、潜り込んでケトルベルをキャッチするとき(セカンドディップ)です。セカンドディップのさい、「ヒザが曲がっていてヒジが伸びている状態」を明確に見せなければなりません。これがないと「ジャークではなくプッシュプレス」と判断され、ノーカウントとなります。


7、失格について

重大な過失、または故意に悪質な反則行為を行った場合。記録が認められない他、退出、次回への参加をお断りする場合があります。


8、意義について

ジャッジの判断には必ず従ってください。試技中に異議を唱えてはいけません。異議がある場合は、試技終了後に自分で撮影した動画を、その競技会の審判長に見せ、再審してもらうことができます。動画がない場合は異議を唱えられません。自分の試技は出来る限り撮影するようにしましょう。ただし、ジャッジの判断はできる限り尊重してください。みだりに再審を求めてはいけません。また、他人の動画を撮影し、再審を促すことはできません。


9、確認事項、競技開始から終了までのながれ

1、指定された時間内に受付、計量、コスチュームチェックを受けます。参加費の支払いもこの時にお願いします。

2、競技する場所のことをプラットフォーム、試技をフライトと呼びます。フライト表を見て、自分のフライト順とプラットフォームを確認します。自分のジャッジも確認します。

3、自分の試技まではアップをしてもかまいません。アップは必ずアップスペースで行ってください。

4、自分の前のフライトが終わったらプラットフォームに入ります。この時にアップをしてもかまいません。

5、ジャッジに「よろしくお願いします」と挨拶をして、名前、部門、種目、ケトルベルの重さの確認も同時に行ってください。

日本記録(緑帯以上)認定を目指している人には公認ジャッジがつきます。公認ジャッジではない人がカウントして、日本記録を達成しても認定されません。非公認となりますので、かならず「日本記録挑戦」の有無をジャッジに伝えてください。

6、試技は10秒からのカウントダウンを行います。カウントダウンがゼロになるまで、ケトルベルを触っても良いですが、床から持ち上げてはいけません。

7、フィクセイションを確認し、ジャッジがカウントしてから次の動作に移ってください。カウント前に動作を始めてはいけません。

8、10分終了したとき、GS部門でケトルベルを置いたとき、ジャッジが継続することが危険だと判断した場合は競技終了となります。試技が終了したら一礼して、ジャッジとともに記録の確認をし、速やかにプラットフォームを離れてください。

9、出来る限り表彰式には参加してください。表彰式前に帰る場合は事前に実行委員に伝えておいてください。勝手に帰ってはいけません。


10、その他注意事項

紛失、怪我、ケトルベルチャレンジを通しての他人とのトラブルにおいてはNPO法人日本ケトルベル連盟、主催者、大会場所は一切の責任を負いません。